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時間外割増率は残業を解消するか促進するか?

残業が想定される業界への転職を検討している場合は特に、賃金のみならず一般に残業手当と呼ばれる時間外手当てが気になる点です。今春の労使交渉でもこの時間外手当ての割増率が議論の中心となっています。
労働時間の上限は労働基準法で1日8時間、週40時間と決められています。企業がこれ以上に従業員を労働させるには、従業員代表や労働組合と書面で協定を結び、割増賃金を支払わなければいけません。現行の労働基準法で定められている割増率は、平日残業が25%以上、休日が35%以上となっています。

現在、時間外割増率が問題となっている背景には、企業が正社員の雇用を抑制し、代わりに人件費の安い非正社員の雇用を推し進めた結果、正社員の残業時間が増加傾向となったことがあります。電機業界の産業別労組、電機連合によると、2006年における加盟組合員の年間残業時間の平均は271時間で、1993年の179時間から大きく上昇しており、ここ数年は280時間前後の水準が続く状態となっています。

働き方や報酬体系が多様化している近年は、ワークライフバランス(仕事と生活とのバランス)への関心が高まる中、昨年行われた労基法改正議論においても割増率引き上げが争点となり、それが労働時間の短縮を促す具体策として示されました。しかし、近年の倒産が相次ぐ企業への負担を懸念する指摘もあり、法改正は先送りとなりました。
経営側が、割増率を引き上げによって過度な残業を促し、その結果過度な人件費の増加に繋がると危惧する一方で、労組側は労働時間短縮につながると主張しているため、両者間で主張が平行線をたどっています。